マチノコト

2015.3.10

千葉県銚子の地域の人々の魅力を伝える「銚子人」の出版記念ツアーが開催

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地域の魅力を伝えるくれるのはどういったものでしょうか。

観光名所や豊かな自然、美味しい食べ物などももちろん地域の魅力のひとつですが、一番地域の魅力を伝えてくれるのはそこに暮らしている「地域の人々」なのではないでしょうか。

千葉県の銚子では、人を通して地域の魅力を伝えるべく、暮らし働く人々にスポットライトをあてたガイドブック「銚子人」が出版されます。

千葉県のはずれにある港町、銚子

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「銚子」は、太平洋に突き出した千葉県の一番東のはずれにある“とっぱずれのまち”です。(とっぱずれとは、「ずっとはずれ。一番端の方」という意味)

黒潮と親潮のぶつかる温暖な気候により漁業が盛んで、全国屈指の漁港がある港町。かつては数多くの数多くの観光客が訪れる場所だった銚子も、東日本大震災以降は観光客が減少し、地域産業も風評被害により大きな影響を受けました。

足を運んでくれる人がどんどん減り、まちにも活気がなくなっていっています。

その要因として考えられるのは、交通も不便な場所にあり、情報発信もあまりできていないことから、その魅力がしっかりと伝わっていないこと。

故郷にもう一度元気を取り戻す

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元気のなくなっていく故郷・銚子なんとかしたいと立ち上がったのが、銚子出身の上の写真に写っている「チーム銚子人」の4人組です。

「チーム銚子人」のメンバーは、銚子の魅力を伝えるために何を伝えていったらいいのかを考えました。

その結果、彼らはこれまで銚子の魅力だと考えられていた豊かな自然と美しい海以上に、個性豊かな『銚子人』がたくさんいることが魅力なのではないか、と考えるようになりました。

彼らは銚子の町にもう一度元気を取り戻すために、銚子で暮らし働く人びとについて伝えることで銚子の新しい魅力を届ける本をつくることにしました。

新しい旅のスタイルを提案するコミュニティトラベルガイド

そんなチーム銚子人のメンバーの想いを受け止め、共に「銚子人」の制作を担当したのが、「地域の課題に市民の想像力を活かす」ことを目指し活動している issue+designです。

issue+designが企画する「コミュニティトラベルガイド」は、これからの時代の新しい地域観光の主役は地域に住む人々だと考え、地域の人々にスポットライトをあてて紹介をするガイドブックシリーズ。

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これまでも島根県の海士町を舞台にした「海士人」や、東北の三陸地方で復興を頑張る人を応援する「三陸人」などを、地域の人々と協力して発行しています。

「銚子人」の編集を担当したissue+designの白木彩智さんは、こう語ります。

「観光名所をめぐり美味しい食べ物を食べるだけではなく、その地域でしか出会えない人々と出会い、語り合うことで、そこでしか味わえない旅を提供できる。自分の地域には“なにもない”と言う方も多いですが、そんな場所ほど個性的で魅力的な人々も多い。
観光にきてくれる人もそうですが、本をつくる地域の人自身も、自分たちの地域の価値や面白さを再発見する手助けになれたら嬉しいですね。」

地域の魅力を再発見

issue+designの協力のもと動き出した「銚子人」の制作は、まず銚子に住む地元の人々が参加した「銚子人」を作っていく方法についてアイディアを出し合うワークショップからはじまりました。

「銚子が元気なまちになってほしい!」という想いをもった20代から70代までの銚子人とまちの魅力を再発掘していくなかで、それによって地域内での交流が生まれていったそうです。

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魚の仲卸をしている”魚市場の兄貴”、江戸時代から伝わる調味料・醤を作る”銚子の物知り博士”、銚子の沖合で季節によってみられる”イルカやクジラ、オットセイウォッチングを運航する船長さん”。

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銚子の人々を取材をしていく中で、「チーム銚子人」のメンバー自身も銚子の人々の隠れた魅力に気づき、あたりまえに思っていた銚子の日常風景に新しい発見や感動が生まれていったそうです。

制作資金を募るためクラウドファンディングも実施し、2014年3月には100人以上の協力者のおかげで、目標金額である100万円を超える136万円の資金を集めました。

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チーム銚子人の代表を務める力武さんは、こう語ります。

海や灯台など観光地としても知られている銚子ですが、太平洋に突き出した港町で暮らす個性豊かな銚子人たちは、それに負けず劣らず魅力的です。ぜひ銚子に遊びに来て、そんな銚子人達に会いにきてください。

2年がかりで完成した「銚子人」

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銚子は初日の出が一番早くあがる場所なので、「 千葉県銚子市 明日に一番近い町の人々に出会う旅 」というサブタイトルがつけられ、2015年2月に2年がかりで制作された「銚子人」は完成しました。

2015年3月19日(木)に出版され、3月28日(土)には出版を記念した「銚子人を巡るツアーと出版記念トークイベント」も銚子で開催されます。

ぜひ「銚子人」たちに会いにいって、銚子の魅力を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「銚子人」出版記念ツアー、イベント

「出版記念ツアー」

日時:
2015年3月28日(土)11:00〜15:00

集合時間:
10:45

集合場所:
銚子駅水槽前

参加費:
3000円(昼食,、保険料を含む)

「出版記念イベント」

日時:2015年3月28日(土)16:00〜17:00(開場 15:30)

会場:絶景の宿 犬吠埼ホテル

参加費:無料

登壇メンバー:
関 健作 ブータン写真家(銚子人カメラマン)
白木 彩智 issue+design(銚子人編集統括)
小足雄高 銚子市役所(銚子人制作コアメンバー)
藤本健二 会計事務所経営(銚子人制作コアメンバー)
大川武輝 フリーランス デザイナー(銚子人制作コアメンバー)
力武若葉 会社員(銚子人制作コアメンバー)

詳細はこちらです。

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工藤瑞穂。 「soar」プロジェクト代表・編集長、「HaTiDORi」代表、ダンサー、元日本赤十字社職員。1984年青森県生まれ。宮城教育大学卒、青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム修了。NPO法人ミラツク研究員、Webメディア「マチノコト」ライター。

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